第七話

アパートには彼の友人と大家さん、警察が

集まっていた。

友達と連絡が取れなくなり心配になって

見に来たら彼は首を吊って死んでいた。

急いで救急車を呼んだが、すでに息を引き取っていた。

警察に話を聞かれる。

「ご友人が自殺してしまったことに心当たりありませんか?」


「あ…」僕は悲しそうにしている大家さんを

ちらりと見て

「なんか、怪奇現象が起こるとか言ってました」


「怪奇現象?!」

その場にいた全員が同じタイミングで

同じ事を言った。

「はい、何度か相談されて泊まりにも来たんですけど、俺にはそういうの見えなかったし聞こえなかったんで…」


「もしかして鏡にガムテープを貼ってた理由もその、怪奇現象?」


「はい、後ろに人が立ってるって。

あと、血みたいなシミが浮き出てきたみたいなことを聞きました」


「大家さん、失礼ですがこの部屋は事故物件ですか?」


「いいえ、このアパートは何も起こっていませんよ。

ただ古いだけです。

あんまり入居してくれる方がいないから

寂しくてね、家賃も安くしてたんだけど」



「そうでしたか…

その怪奇現象というのは具体的にどんなものでしたか?」

今度は俺に話をふる。

友達が言っていた現象を一つ一つ上げていき

警察はそれをメモしている。

話をしていると一人の鑑識の人だろうか?が

やってきて突然口を挟んだ。

「あの、ちょっとすみません」



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