第四話
僕は御札を買いに行こうと錆びた階段を
下りていた。
するとアパートの周りをほうきで
そうだ、思い切って聞いてみようかな。
「おはようございます」
「あら、おはよう。どこかにお出かけ?」
優しい笑顔で返してくれる。
「ええ、まあ。
ところで、ちょっと僕の部屋のことで聞き
たいことがあるんですけど…」
「なんだい?何でも言ってごらん」
その優しい笑顔と言い方に
“もしかして事故物件じゃないですよね?”という言葉がでてこなくなってしまった。
「えっと…なんていうか…あの、思ってた
以上に住みやすくていいです」
正反対のことを言ってしまった。
「あら、本当?
それは良かった。嬉しいわ」
またニコリと笑いかけてくれる。
僕はペコッと頭を下げて神社へ向かった。
御札を棚の上に飾る。
手を合わせながら
お願いです。怪奇現象がなくなりますように。と必死に懇願した。
だが、懇願
ここは二階なのに最近では窓ガラスを叩く音がするようになった。
恐ろしくて確認することができず、
音がするようになってからカーテンは
閉めっぱなしにしている。
やはりもう一度友人に来てもらおう。
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