第十一話
友人が亡くなってしばらく経った頃だった。
妙な噂を聞いた。
あのアパートで怪奇現象が起こるというのだ。
また怪奇現象かと俺は思ったが、話を聞くと
眼鏡をかけた青年がある部屋に現れて
「僕は呼ばれたんだ…
だから僕にしか見えなかったんだ…」
とずっと言っているらしい。
大家さんに久し振りに会いに行って事実なのか確かめるとどうやら本当のようだ。
「事故物件じゃなかったけど、本物の事故物件になっちゃったし、怪奇現象まで起こるようになっちゃったからあの部屋は開かずの間にしたんだよ。
あの子も早く成仏できるといいねぇ」
どこまでも優しい人だ。
俺は友人が住んでいた部屋の窓を見た。
一瞬誰かが窓を横切るのが見えたような気がした。
物件 梅田 乙矢 @otoya_umeda
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