ちょうど香港から帰った日本で読んだので情景がより染みました。吐瀉物にドブネズミが群がるようなディストピアで赤と黒だけが鮮やかです。
あまりに若く、グロテスクで、情熱的な散文詩!筆者の厭世具合は、然し、俯瞰的な批評精神の獲得によっては……その切実な叫びが単なる自慰に留まらぬ【小説】の形式を以って顕れるかも知れない。確かな筆力があるのだから。先ずは痛烈な叫びを一旦分解し、読み物にしてしまう自分を赦してやって欲しい。その先に可能性は必ずある。
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