ダメ日本語変換ソフトとして生きる彼女の苦しみを君は知らない（短編）

パソコンから出てきた謎の少女と、作家志望の男子高校生。
めちゃくちゃパワフルなやり取りを、よくぞやってくれました。
謎の少女の運命や、如何に？！

へびのあし
猫に三味線とひたすら声かける企画を「ラブコメ」にうっかり登録してしまって数日後に慌てて直した私には、とても、書けません（苦笑）。

　これ、面白いんですがレビュー書くの難しんですよ。タイトルで「ネタバレ」してますし、短編なので「オチ」をいう訳にもいかないし。ということで散々、悩みまして、作者さまの文章についてレビューをするってことでお許しください。

　文章力は、私より上です。いや、私、文章下手なので、まぁ、仕方がないんですが。。。ではなくですね、作者さまの文章の特徴は「テンポ」の良さにあります。その「テンポ」の良さの秘密は、体言止めと連用中止法の使い方です。

　この２つを使うと、読者としては文章を全部読まなくても分かってるのに、いちいち読むことに付き合わされなくて済んで、短い時間で多くの情報を得る事ができるんですよね…続きを読む

あらすじをなんとなしに眺めていたのですが、『もう一度チャンスを……』と縋られる時点でおもしろいです。

ソフトウェアにも関わらず、すがりつく言葉が「頑張りますから」と言うのがたまりません！
短編としてすらすら読める上に、少女からお嬢様、さらには母親にまで見えるような少女の猫被りっぷりがとても可愛らしく頬を緩める材料として申し分ないです！
コメディタッチで、テンポも軽く時に熱血路線に変換する乱れようは、短編とは思えない満足感を読み手に与えてくれます！

二人のドタバタ劇、ぜひともみなさんも読んでみてください！

　一口に「ラブコメ」といっても恋の対象は作品によって千差万別ですが、この作品はその「対象」がまさかの「変換ソフト」。

　冒頭は「本当に恋に発展するのか」と考えてしまうほど登場人物の口が悪いですが、それを乗り越えた先にある少し甘酸っぱい展開に目が離せません。