冒頭の文は国語の教科書に載る、美しい日本語のお手本

『隴西(ろうせい)の李徴(りちょう)は博学才頴(はくがくさいえい)……』声に出して読んでみてください。冒頭から名文です。
中国が舞台なので、地名も人名も見馴れない漢字尽くしで、読み馴れないと戸惑いもあります。
主人公の抱えるの弱さや業、友人の思い遣りなどが細やかで、情景描写も素晴らしい。
『虎になった人がいた』という昔の小噺を『心の葛藤の末、虎(獣)になったのだ』と解釈、展開させた本作は、時代を越えて人に寄り添う名作古典です。

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