【被虐の翼】~「僕達は夢を見ることさえ許されないの？」日陰で暮らし続けて来たクモリス家は“悪魔”の容疑で異端審問にかけられる~

かつて赤い目をした人間を「家畜」と呼び迫害していた世界。「家畜」を守る魔王と「人」の世を守らんとする勇者との激しき闘争の果てに、「人」と「家畜」との線引は取り払われ、共生の道が選ばれた。
しかし、偏見は容易な事では取り払えない。その実「家畜」に対する迫害は、水面下で尚続いているのであった。
とある村に、幼いきょうだい三人と母親の一人で仲睦まじく暮らす“赤目”が居た。彼等は無邪気な子供達による迫害にも日々耐えていたが、度を超えた暴力が執行されようとしたその日、幼き妹が彼等の一人に怪我を負わせてしまう。
その晩、“検邪聖魔省”より遣わされた異端審問官が彼等の元を訪れた。家族は悪魔の嫌疑を掛けられ、ほぼ虐殺という名の異端審問に掛けられる。子を守らんとする母、幼ききょうだい達をいたぶられて、その心を…続きを読む