「ダブルヒロイン(双子)×王道ファンタジー」が面白くならない訳がない!

ひとこと紹介でも書いたとおり、本作について私が抱いた感想ないし印象の大枠は「ダブルヒロイン(双子)×王道ファンタジー」というところ。

封じられた魔女の魂に体を乗っ取られてしまった双子の妹カテリーナ。
主人公アルフレッドと共に、行方をくらました妹を追う双子の姉リリアーナ。

この二人がそれぞれ「さらわれ系お姫様ヒロイン」と「主人公とコンビを組む相棒系ヒロイン」のそれぞれの立ち位置を占めて、主人公アルフレッドと三人で物語を牽引してゆきます。
こういう形式だとふたりのヒロインのうちどっちかに比重が偏りそうな懸念はあるのですが、物語自体が「魔女に体を乗っ取られたカテリーナの捜索と救出」を骨子に進んでいるのと、ヒロイン二人が「双子」という分かちがたい関係性にあるためか、あるいは主人公のアルフレッドの成長や周囲を取り巻くキャラクターの描写をきっちり積みながら物語を構築しているためか、ヒロインまわりは目下巧みに天秤がつりあった塩梅です。
立ち位置というのか、関係性というのか、そういうのの配置の仕方が上手いなぁと思うのです。

またヒロイン周りの描写に限らず、本作はつくりがとても手堅く堅実で、話が進めば進むほどそこまでに積んだ諸々が思わぬ形で伏線として回収されるなどする、「巧い」おはなしでもあります。
さりげない伏線の張り方が巧い作者さんのようなので、「ツインズソウル」というタイトルからして何かの示唆ではないかな? と疑っている次第。今のところは妹がさらわれて主人公と共に姉が追う、という格好ですが、このアルフレッドを挟んだ両者の立ち位置がどこかの時点でガラッと変わりそうだなー、などと思いつつ。
物語の行先を楽しみにしています。

骨太の異世界ファンタジーをお探しの方、よろしければ是非に!

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