小説を書く全ての人へ。この物語は“絶対に見てはいけません”

 インターネットは素晴らしいもので、ゆるいつながりがウリの物ですが、反面大きなデメリットもあります。
 知っての通り、顔が見えないので何があるか分かりませんし、自殺の話とかも出てきますし、下手すればネットでしかあったことのない人と会って、殺されてしまうこともあります。
 ですが、ネットの闇はそれだけではありません。よからぬ噂もどんどん、まさに網を伝って広がっていきます。
 その“増殖する意志”は一度増殖すると最後、もう収拾がつかないのです――。


 この小説はズバリ、自分で考えた都市伝説がなぜか実体化してとんでもない形で広まり、主人公を包み込んでいくというホラー。
 主人公が小説で書いた都市伝説が主題になるわけですから、同じ書く者としてすごい怖くなる。
 書いたものが本当にこうなったらどうしよう……伝書猫、無明の闇夜に、夢子ちゃんちのお化け屋敷など様々なホラー小説を書いて、いずれもヒットしている、もはやプロなのかと疑ってしまう作者の和響さんはとんでもないものを書いてしまいましたよ(いい意味で)
 執筆をするすべてのみなさん、この小説は絶対に読んではいけないものでした。ホラー好きやからと誘惑に誘われ、プロローグを開いてしまえば最後、もう太郎君の呪縛から抜け出すことは出来ません……。

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