癖のある登場人物の人情と一筆が起こす、不思議で温かな物語

 この物語は、関川二尋さんのハーフ&ハーフという企画に参加された作品です。
 ハーフ&ハーフというのは、企画主の関川さんから、小説の前半部分にあたるお題が投げられて、参加者がその続きを書くというもの。
 この作品は、関川さんと、作者の小烏つむぎさんのアンサンブルが響く物語でした。
 関川さんから投げられる手紙もまた面白いのですが、それに応える小烏さんも、深い人生経験から書ける、人情のこもった“返信”をされています。
 登場人物はみんな、なかなかに癖がありますが、やはりみんな、それぞれのユーモアと温かさがあるんですね。
 また、この作品からは、近年、筆を執って手紙を書くという、衰退しつつある文化の貴重さを再確認させてもらうことが出来ました。
 僕は、今年も年賀状を直筆で書き続けます。