キャラも立っていて魅力的だし、ストーリーにも引き込まれる。
ギャグも面白いし、泣けるシーンもたくさん。
さらに文章も読みやすく、読者に全くストレスを与えない。物語に集中させてくれる。
とにかく非の打ち所がないというか、完成されている作品です。
女の子主人公で、しかも未来が舞台なのに、どことなくレトロななつかしさというか――誤解を恐れず言ってしまえば90年代少年漫画のような安心感がある。
小説という形態で書かれているにもかかわらず、夕方の時間帯に実家のリビングでテレビアニメを見ているような錯覚に襲われるのだ。台所からは夕食の香りが漂ってくる――
ついついノスタルジックなことをつらつらと綴ってしまったが、元気なキャラクターたちと引き込まれるストーリーを堪能できるこの作品、シリアスな部分もコメディタッチでカバーして明るく気持ちよく読ませてくれる。
1話の分量にも配慮されていて、その上章の頭には毎回前章までのあらすじが記されているという親切設計。
ぜひ気軽に読み始めていただきたい!
魔力だの、精霊力だの、数々の俗称がばらばらに用いられているほどに発見から歴史が浅く、科学では説明できない不可思議な力が存在するファンタジー世界。
そんな近未来の日本に蔓延る凶悪犯罪に立ち向かうのは、制服に身を包んだ鋼鉄の身体を持つ女子高生──その名も小取美夜子(ことりみやこ)!
(『MAGIC・1 真っ赤な金属の少女』読了時点の感想です。)
「めかまじょ」こと小取美夜子の正体すら依然として明かされておらず、まだまだ始まったばかりの序盤ですが、早速手に汗握る臨場感たっぷりの戦闘描写が垣間見え、今後の展開に期待を持たせるような伏線が随所に張り巡らされていました。次章以降も楽しみです……!
ゼログラビティを使用したテロ犯罪への対応が数年単位で遅れている現状には、何処か現代日本の法整備の遅さと重ねてしまう部分もありますね。もっとも、現実では、この手の重大犯罪には超法規的措置が取られるでしょうし、まるでスピード違反者を取り締まるパトカーが法定速度や信号を律儀に守らなければならないかのような世界観には少し笑ってしまいました。しかし、これも華麗なる「めかまじょ」登場に向けた導入だと考えれば割り切れますし、特撮ものよろしく、分かりやすい勧善懲悪が物語の方向性を端的に示してくれていますね。
所謂劇中劇というか、SFテレビアニメという設定の作品故、全体的にやや大げさな舞台装置が用意されているという印象を受けますが、これが新人ラノベ作家・塚景太さんの作風なのですね。自分とは違う誰かになりきって、数々の複雑な設定に矛盾が生じないよう忠実に描かれているところ、斬新で面白いと感じました。
今後とも応援しております!
あの日起こった 飛行機事故で
私は全て 失った
生まれ変わった 機械の体
近くて遠い 父の意志
赤い炎に 身を焦がし
世界の平和 守る者
あれは「めかまじょ」 真紅の勇士
迫力のバトルシーンと、息もつかせぬ展開で読者を魅了する、機械×魔法少女×バトルの傑作です!
見どころは盛りだくさんで、単なるバトルものに留まらない、しっかりしたストーリーは読んでいて飽きさせません。
学園シーンで描かれた日常の一コマも、その後の心理的な描写も……ギャグだけでなくシリアスな側面から見ても名作と断言できます。
キャラクターへの愛が詰まった、魅力あふれるこの作品を、是非ご一読ください!
「鍵を差し込んでエンジンぶるぶる変身する。というダサカッコいいシーンが浮かんだのがこの作品のイメージ発端」(作者談)
ひらがなタイトル『めかまじょ』もあえての表記で、80年代の匂いプンプン漂わせた、面白いギャクと脇役、懐かしいオマージュの潜伏、カッコいいバトルシーン、主人公の美夜子ちゃんのちょっとズッコケ元気高校生ライフ、と目白押し。
ギャグパートから一転
彼女の生い立ち。何故、誰の手や考えによってそうなったのかが綴られていく。
機械の身体で血が通ってないわけだが、彼女を知る為、ひいては物語の骨と肉にとなり厚みを持たせる重要な部分、血脈だ。
でもギャグと掲げるこの作品の宣伝としてこれをクローズアップしたら足を引を引っ張る行為なのでは? とも思ったが……否!
サン=テグジュペリ氏は砂漠が綺麗なのは井戸をかくしているから と言った。
主人公は生い立ちに、心に、悲しみを秘めているから、『めかまじょ』は爆発的にエンジン全開で面白いのだ
糖衣に包まれた、みんなの元気の活力ビタミン小説、ぜひ一緒に楽しもう!
メカな魔女、でその名も「めかまじょ」!
同じ作者さんの別作品のスピンオフらしいですが、私はこちらしか未だ見れていないので単品での感想を。
飛行機事故に巻き込まれ死に瀕した女子高生「小取美夜子」は、実の父の手により「めかまじょ」へと生まれ変わることで一命をとりとめた!
彼女はさいたま新都心の平和を守るべく、今日も精霊魔法で悪と戦うのだ――!
――と言ってしまうと嘘ではないけど本当でもない塩梅。
本作では命を取り留めるために「めかまじょ」として生まれ変わらざるを得なかった美夜子の心境や内面が細やかに描かれ、軽快な痛快娯楽活劇であるのみならず、美夜子の葛藤やわだかまりを解きほぐしてゆくのであろう、繊細な物語としての一面も併せ持っています。
2023/1/30現在、もう一人の「めかまじょ」宮本早苗も登場し、そろそろあらすじの内容へと本格稼働してゆきそうな塩梅。
ギミックこそメカニカルながら、筋立ては割とご近所でちいさくまとまっている本作がいかにして世界規模まで話を拡げてゆくのか。私的には美夜子の心境や、気風のよさげな早苗との関係性に注目しつつ、追ってゆきたいと思います。
以下、完全に個人的な感想ですが――
本作、読んでいてなんとなーく「ARIEL(笹本祐一作/ソノラマノベルズ刊)」が脳裏をよぎるなどしていたのですが……うまく言えないのですが、レトロフューチャー?
というと意味が変わってしまうのですが、一昔前のOVAにありそうなコミカルSFっぽさというか、そういう空気を感じるのかもしれません。
正直その手合いに精通している訳ではないので、自分のイメージによるところが大きい感覚なのですが…
『めかまじょ』は昔のアニメや漫画からのインスピレーションを感じる作品です。サイボーグガールの女子高生たちが日常生活を守ろうとヴィランと戦う物語です。
ペースが速く、面白いシーンが多い、かつ話の長さにバリエーションがあって最後までエキサイティングな展開が待っています。
それとストーリーでは強調していませんが、表面は明るくありながらダークなところも多く、恐らく昔の色んなアニメを彷彿させます。
個人的に『めかまじょ』を読んだ時、どのシーンでも『夜』だと感じます。(偶然に主人公の名前は『美夜子』ですが)
多分、最初の悲惨な出来事から、普通の女子高生である主人公たちはもう自分が普通の『人間』じゃないという意識があり、学校でしゃべったり笑ったりしてても、その不安や様々な困惑が必ず心のどこかにあります。このシーンはエヴァンゲリオンの学校シーンを思い出して、だんだんと運命的な何かが来るはずだと暗示しいるように心配していました。
そして女子高生のめかまじょたちが、やっと決断してヴィランと戦えるのは女子らしくないですが、こうなった自分はもう昔に戻れないと気付いたのかもしれません。
もらった新しい力を使い、『めかまじょ』として生きるのは存在意義への疑惑がなくなる唯一の道という心境の背景を感じます。
登場人物がいつもいいタイミングで登場し、存在感が溢れています。実際のストーリーは単純ではなく、びっくりする裏もあります。
著者も楽しくコメントをやり取りしてくださる気さくな方なのです!
女子高生、小取美夜子(ことりみやこ)。
彼女は不幸な飛行機事故で、メカメカボディに改造されることで九死に一生を得た機械の身体。
そして、精霊魔法で悪い奴らをとっちめる『めかまじょ』なのだ!!
人なのか機械なのか揺れ動く彼女の心に、複雑な家庭事情。
そんな重たい雰囲気を吹き飛ばすように、彼女を取り巻く愉快なメンツが大はしゃぎ!
そこで笑わせてくるかという不意打ちのギャグにはセンスを感じます。
そして、めかまじょたちを取り巻く陰謀の気配。
いつしか世界全土を巻き込む謀略に、美夜子は太刀打ちできるのか!?
頼れる仲間たちはみんな愉快すぎて、果たして頼れるのか頼れないのか!!?
個人的には割と早い段階で登場する2号ちゃんがお気に入りです。
愉快で生き生きしたキャラクターが多い本作品。
きっと、読者様が応援したくなるキャラクターが出てくるはずです!
いまレビューを書こうとして、本当に困っています。
さきほど最終話、あとがきまで読了して、ぽろぽろ泣いてしまっているから、あまり冷静なことばを紡ぐことができません。気を許すと、自分のきもちだけをうたってしまう。なんども消し、なんども消し、いまに至ります。
それも、もちろん、困ってる。
でも、そのことじゃない。
わたしは、この作品がなんであるのか、なぜ読んでいただきたいのかを、うまく説明することができないのです。
女子高生、事故、サイボーグ、ロボット、変身、魔力、精霊、反重力、レーザー砲、父親との確執、次元と時間を超えた愛、悪の秘密結社、人類と地球の危機……。
キーワードはこんなにたくさん、あるのです。
どれでも、かけばいい。
設定までしっかり練り込まれた本格SFですよ、魔力や精霊がつかわれる近未来が舞台ですよ、女子高生が変身する魅力的なおはなしですよ、バトルが迫力あってすごいですよ、コメディもたくさんあって笑えますよ……。
いやだ。
ぜったいにそんなこと、書きたくない。
これは、作者さまのからだの一部。
そうしてわたしの、思い出の一部。
作者さまの好きが全力でつめこまれてて、愛すべき登場人物たちとわちゃわちゃできて、ダジャレとオヤジギャグであはは笑って、カップラーメン食べて、昭和のアパートに詰め込まれて、笑って、笑って。
たくさん、笑って、泣いて。
これは作者さまと、わたしの、大事な一部。
あなたの一部にも、してください。