科学を超越した近未来の救世主は、制服に身を包んだ機械女子「めかまじょ」

魔力だの、精霊力だの、数々の俗称がばらばらに用いられているほどに発見から歴史が浅く、科学では説明できない不可思議な力が存在するファンタジー世界。
そんな近未来の日本に蔓延る凶悪犯罪に立ち向かうのは、制服に身を包んだ鋼鉄の身体を持つ女子高生──その名も小取美夜子(ことりみやこ)!

(『MAGIC・1 真っ赤な金属の少女』読了時点の感想です。)

「めかまじょ」こと小取美夜子の正体すら依然として明かされておらず、まだまだ始まったばかりの序盤ですが、早速手に汗握る臨場感たっぷりの戦闘描写が垣間見え、今後の展開に期待を持たせるような伏線が随所に張り巡らされていました。次章以降も楽しみです……!

ゼログラビティを使用したテロ犯罪への対応が数年単位で遅れている現状には、何処か現代日本の法整備の遅さと重ねてしまう部分もありますね。もっとも、現実では、この手の重大犯罪には超法規的措置が取られるでしょうし、まるでスピード違反者を取り締まるパトカーが法定速度や信号を律儀に守らなければならないかのような世界観には少し笑ってしまいました。しかし、これも華麗なる「めかまじょ」登場に向けた導入だと考えれば割り切れますし、特撮ものよろしく、分かりやすい勧善懲悪が物語の方向性を端的に示してくれていますね。

所謂劇中劇というか、SFテレビアニメという設定の作品故、全体的にやや大げさな舞台装置が用意されているという印象を受けますが、これが新人ラノベ作家・塚景太さんの作風なのですね。自分とは違う誰かになりきって、数々の複雑な設定に矛盾が生じないよう忠実に描かれているところ、斬新で面白いと感じました。

今後とも応援しております!

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