とりあえず1話目読んで面白そうだったらブクマするか……くらいの軽い気持ちで読み始めたらめちゃめちゃ面白くて28話まで一気読みしました。
ゆるいタイトルからは想像できないくらい、内容はしっかり三國志の面白さを活かした展開です。でもギャグ展開もモリモリ入ってて読みやすい。
パワーアップセット(いわゆるチートスキル的なの)も使いすぎない感じで、ストーリーの程よいアクセントだと思いました。
主人公が仁君の器な感じでとても好感がもてます。
主人公以外のキャラクターも魅力的で、特に郭図の人間臭いダメさ加減に笑ってしまいました。
この小説のおかげで袁家への好感度が爆上がりです。
史実とは違う展開になっていくIF三國志とても楽しいです!おすすめです……!
こういう三国志もあってもいいんじゃない? というのが私の第一印象です。発想は多分ゲームで、高レベル者がやる弱い武将でスタートして、みたいな所だと思います。ちなみに袁煕(えんき)のゲームの中での能力値はかなり低めに設定されています。
というような背景があると思うので、ゲームの知識がある人は、すごく頭に入ってきやすい三国志です。ただ、ゲームをやらない人や三国志を知らない人がみたらどうか? ってのはあるんですが、そこにも工夫があって、まず文章が読みやすい。そして、キャラが親しみやすい。だからキャラ文芸としても入ることができるんですよね。この間口の広さがこの小説の最大の魅力です。
多分、この小説が刺さる年齢層って広くて20代〜50代くらいにまんべんなく行けると思うのですが、1つだけ注意して欲しいのが、時間の流れが遅いということです。テンポ優先の読者さまは、そこらへんを理解して読んで欲しい一作です!
袁煕という人物をご存じでしょうか。普通の人は知らない、どころか読めないと思います(笑
この袁煕(えんき)、三国時代の名門・袁紹の次男。生まれはとても良いのですが、なにしろ軟弱で小心者で優柔不断。滅亡の果てに妻をあの曹操に寝取られ最期は斬首という末路をたどる人物です。
朝起きたらこの袁煕だったとか救われようのない人生ですが、そこはアレです、パワーアップセット。歴史シミュレーションゲームのデータをいじくれる、別売りのアレです。オリジナル武将を作ってみたり、お気に入りの武将を最強にしてみたり。コレさえあれば何とかなるか……?
でも世の中そう甘くはありません。まだコンテンツが解放されていなかったり、一部有料だったり。やっぱり袁煕は凡将として地道に文武に政治に励むしかないのです。
袁煕よりずっと強い侍女の鈴猫ちゃん、反面軍師の郭図、名将?張郃らと共に陣容を整え、数年後に控えるは曹操との一代決戦、官渡の戦い。アレさえあればあの髭の偉丈夫にも勝てるのか?いや、やっぱ無理では……?
三国志マニアの方にも、歴史シミュレーションゲーム好きの方にも、そうでない方にもお勧めできる秀作。ぜひご一読ください。
残業続きで過労死してしまったと思しき主人公が南華老仙に導かれるまま、次に目を覚ましたのは古代中国──後世に伝わるところにいう三国時代の興亡史・三国志の世界で、惨憺たる運命を辿ることが確定したマイナー武将・袁煕だった……!?
三国志には明るくない浅学ですが、それでも分かりやすいように史実に沿った状況説明が添えられているので、すらすらと読み進めることができます。歴史ものということである程度の前提知識が求められるかと思いきや、現代的なライトノベル好きにも配慮したファンタジー要素が取り込まれ、今後の展開が全く予想できないのが期待感をそそられますね。
豊富な語彙と巧みな文章構成によって、目が滑ることなく難解な歴史的背景を理解することができ、その上でいとも容易く主人公の意のままに歴史が改変されていきます。何かとんでもない弊害が後から発覚したらと思うと気が気ではありませんが、典型的な現代日本人男性の主人公にもかかわらず、異国の地で驚くべき順応力を見せているので、案外大丈夫そう。史実では「事実は小説よりも奇なり」と言うべき程に悲惨な運命が待っている袁煕に転生した主人公が、これからどのような苦難を乗り越え、自らに訪れる不幸を回避することになるのか、楽しみに読ませて頂きます……!