SFと魔法のマリアージュ! 可読性、設定、バトル描写に優れた作品!

主人公の「サカナ」こと沙坂那渡は長身の若い女性で、残業が長引いた帰りに、人生の転機となる凄絶な出来事に遭遇します。
ちょっとやそっとのアクシデントなんかじゃありません。
魔力が主な動力源の戦闘用パワードスーツ〝ハガネ〟を装備して、磨動鬼と呼ばれる謎の化け物――魔法使いの一種らしい――と戦うことになるんですから。しかも、その魔法使いは過去文明からの刺客だった……。

どうです? もうこれだけで、わくわくしませんか? 

本作はこのような設定がよくよく考えぬかれていて、骨格のしっかりした作品だなと思わされます。そうした作中の世界観にまずは引きこまれます。

謎めく秀逸なプロローグから第一章へと導かれると、そこからは魅力的な登場人物やテンポのいいバトルシーンなどが読書を牽引してくれます。

実は僕も(カクヨムには載せていませんが)本作に登場する「パワードスーツ」や「念動力を使えるキャラ」「謎の化け物と戦う」などの設定をつめこんだ小説を本気で書いた経験があるので(本作とはまるで内容は違いますが)、これらの要素を綺麗にまとめるだけでなく、面白く読める作品に仕上げるのがとても困難なことは誰よりもよくわかっているつもりです。

しかし、本作の作者はそれを見事になしとげている。素晴らしいです!!

僕は昨日読みはじめて、昨日のうちに読み終わりました。リーダビリティがすごいんですよ! 
本作はSFアクションと魔法ファンタジーが幸福に混ざり合った作品です。そういうのが好きな方はもちろん、とくにそういう趣味がない方でも、本当に読みやすい作品になっているので、おすすめです!!!  

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