地に足の着いたアクションと心情描写

こんにちは、ヨコミチソレタロウです。
カクヨムに登録したばかりなのでどういうテンションでレビューすればいいのかよくわかっていないのですが、全話拝読したので簡単に感想を。

心を込めて丁寧に書かれた作品だな、と思いました。

まず文章が読みやすい。読者のことを考えて、時間をかけて丁寧に校正しないとこういう文章にはならないと思います。よく見ると文末も揃わないようになっているし、ダーシや記号表現の引き出しも多いです。

プロットはタイトで、追ってくる敵から逃げ、そして倒すまでの比較的短い期間を扱っています。映画にたとえるなら90分くらいの適度な尺。物語も飲み込みやすいし、文体も相まってサクサク読み進められました。

物語の中心にあるのはパワードスーツを用いたアクション。各アクションシーンごとにきちんと違う見所を用意しているし、ロケーションや個々の動作にいたるまで細かく描写しています。しかしスピード感を削がないように気を遣ってもいる。どのアクションシーンも間延びせず、「そうきたか!」と唸りながら読みました。

そして主人公サカナの心理描写。これがアクションに次ぐ、2番目の作品の柱になっているのですが、これ単体をとり出しても心理小説としておもしろいのではないかな、というくらい丁寧に書かれていました。
サカナはある種のトラウマを持っていますが、そこから出てくる彼女の人生観がおもしろい。そしてそれがキャラクターの個性にもなっています。

アクションも心理描写も両立しているところは本作の最大の美点だと思います。どちらにも等分に気を配った作者の労力が、文章の裏からうかがえました。

以降はわりと個人的なことなのですが、僕は昔からパワードスーツ大好きです(笑)
もっとパワードスーツ小説増えろ〜と日頃からぶつぶつつぶやいているので、本作を読めて大変満足でした。

長文乱文失礼いたしました。