あまねく渇望が交差する!!

最後まで読みましたので書きます!!

本作はタイトルとして書かれている部分がまさに根幹でありながら、その根幹部分が想像以上に深く根を張っていたと感じる作品でした。

タイトルの巨大龍。この巨大龍という災害そのもののを存在を倒すために人類が死力を尽くした理由は生きるために他なりません。生き残るために、滅びないために人類は龍を倒しました。

しかしその後に待っていた龍を巡る利益追求の争いや、各勢力同士の駆け引きもまた、生存欲求とは別の渇望であり、欲求でした。

本作には善人も、悪人も、様々な種類の人物が現れますが、その全てがなんらかの願いや欲求をしっかりと口に出し、そのために懸命に行動しているのがとても印象に残りました。

そうなればもはや善や悪に意味はなく、あるのは必死に自身の願いや欲求を叶えるために抗う存在のぶつかり合い。

巨大龍という本作の象徴によって引き起こされた数多の渇望が、最終的には巨大龍へと収束していくラストもお見事でした。

最後まできっちり楽しませて頂きました。
ありがとうございました!!!

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