昔ながらの王道ヒロイック・ファンタジー

最初は、ちょっと心配になりました。「このお姫様、大丈夫かな?」と。しかし、要らぬ心配でした。過去の悲しみに囚われ、現在に立ち向かえず、未来に怯えていた少女は、多くの気付きを得て、一歩、また一歩と、着実に前に進み始めました。

用語解説が必要になるほど作り込まれた世界観は圧巻の一言ですし、その中で生きる登場人物たちも、とても生き生きとして魅力的です。特に主人公は、最初が少々頼りない印象だっただけに、一生懸命頑張り始めた姿は、応援せずにはいられません。その健気さの上に、これでもかこれでもかと降り注ぐ艱難辛苦は中々に辛いものがありますが、これらを乗り越えた先にある彼女の到達点を、是非見届けたいと思います。

昔ながらの王道ヒロイック・ファンタジーがお好きな方は、是非。

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