語り手と会話のテンポがスムーズすぎる

小説は風景が浮かんでくる~等とよく言いますが、これは語り手の隣に自分がいるような錯覚を覚えました。
語り手である主人公と会話文の間に一切のノイズが挟まらず、主人公がまさに生きている、ということを証明してくれているようで息をはくように文字を追う事ができたことに驚きました。
文章構成も見事なのですが、展開と絡めていくキャラが主人公以外でも、すでに独立し、はっきりとした意志を持っているため、登場人物が増えても混乱することが一切ありません!

主人公と気が合う、いわゆる相方ポジキャラが周りキャラの魅力を一層引き出してくれるという主人公に取っても物語じたいにとっても貴重なキャラが開始時点でいるのも大きいかもしれないです。
面倒見が良いというか、グループに一人いるとグループがバラバラ、整列して一列、ではなく輪を作るようになるようなキャラなので、主人公とヒロインの存在感を引き立てながらもそのキャラが会話するとついつい意識を向けてしまいました。

物語の主軸も20代以上の方から見るとノスタルジーに、20代以下の方であれば共感を得られるような「あの頃に熱中した・・・」という書き方がとても心に染み入ります。
色んな趣味が溢れる中でみなさん一つはあれは熱中したなぁ~というものがあると思います。
趣味の違いはあれどその頃の熱を思い出させてくれるとても素晴らしい作品なので、ぜひ読んで頂きたいです!

いい思い出だけではなさそうでしたがw

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