至高のファンタジー・オペラを貴方に

雪肌の竜人美少年ジュキくんが最高に可愛らしく、胸がキュンキュンします。あらぬ衣裳を無理やり着せられ、恥じらう姿がもう堪りません。萌えて悶えるのです。

故郷の仲間たちに蔑まれる能力を持った主人公の美少年。彼は自らが背負し大いなる秘密に触れ、遙かな外の世界へと旅立ちます。

言葉は少し粗野だけど、可憐で実直で、縁が合って知り合った少女とも意気投合。いい雰囲気です。彼を足蹴にした元の仲間も、おっちょこちょいの田舎者で、物語に香ばしい風味を添えます。実に楽しく読めるのです。

序盤から中盤の流れる展開で、主人公のメイン組だけではなく、サブ組の様々な登場キャラクターも面白可笑しく、読者が虜になること請け合いです。伏線も仕掛けも多種多様、驚きもあれば、ムフフな悦びもあります。

美少年にうっとりしている場合でもありません。皇后陛下登壇の辺りから、作者の豊富な知識と見識と趣味が生かされた唯一無二のファンタジーが幕を開けます。「最高の舞台」と申しますのは比喩ではありません。

劇場を舞台にした決戦、激闘、駆け引き…ステージでは鍵盤楽器の優雅な演奏が続き、観客は知らずに喝采を捧げます。オーケストラをバックに輪舞する主人公。艶やかな、本物の舞台装置が見事で、酔い痴れてしまうのです。

類例のないファンタジー・オペラ。他の追随を許しません。この作者様にしか描けない至高のステージと申せましょう。

主人公が手にしたユニークスキル「歌声魅了」とは、何なのでしょうか? 読めば誰しも気付きます。それは卑しい者を浄化するだけではありません。読者もすっかり魅了されてしまいます。

魂も浄化するミラクル・ボイス。本物の歌姫です。衣装が素敵な歌姫。ここは色んな意味でのスタンディング・オベーションなのです。

まだ、オペラは終わりません。続きがあります。さあ、読み始めたばかりの皆さも御一緒に、観客一同、盛大なアンコールの拍手を送りましょう。

そして、いつか緞帳が降ろされる瞬間、素晴らしいカーテンコールが「私たちの劇場」に鳴り響くことでしょう。

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