刻め

 いまさら陳腐だが、人は死して名を遺す。名とは当人の名前でもあれば業績でもある。

 焼きさらされ、白茶けた大地にはしかと名が刻まれた。そのあと、五穀が豊かに実るのだろう。名の混じった土から養分を得て。

 読み終わってから冷たい水を飲みたくなり、一口目を飲みながらもうすでにたらふく飲んだ気になる。さっぱりしたのと同時に腹は重い。

 そんな傑作だ。

 必読本作。

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