◎やばい面白過ぎる。なんでこの作品が無料でWebで読めるのか分からない

冒頭を少し読んだ感想は「東洋風で民俗学的な因習とか最高」ってことでした。
和風で妖しい神様に参拝している雰囲気とか大好物なんで読み始めたのですが、そんなものじゃなかったです。

先に書いておきますと、ラノベではありません。
昭和の直木賞受賞作家が書いた本、といった感じで、読んでいると図書館から借りた古い本の匂いがよみがえってくる。

気味の悪い風習、閉ざされた村、少しずつ明らかになる奇怪な世界観、渦巻く陰謀――そうしたものにどんどん引き込まれていきます。

残業後の疲れた頭で気楽に読めるとは思えないので、昔ながらの「小説」をちゃんと読みたい方におすすめです。
そういう方々はそもそもカクヨムに来ないで、図書館か書店に行っているんだろうな、とは薄々思っています。
でも「骨のあるやつを読ませろ!」という気概のある方は、ぜひ読んでみてください。

誰にでも気軽におすすめするつもりはありませんが、読書好きな人に本気で勧めたいです。

なお、物語の舞台は古代か中世かといったところですが、登場人物たちに織り込まれているものは現代の諸問題であることが、読み進めるうちに分かると思います。
ある種の人々にとっては救いになる作品です……。

※21話(「2 密事」の最終話)まで読み終わった感想です。

(レビュータイトル先頭の◎は、どれがお気に入りだか分かりやすいように付けている自分用メモです。特にハマっている作品に付けています)

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