友だちの作り方より先にひとの殺し方を学んだ少年たちの青春ブロマンス

家庭にも学校にも居場所がない少年と、ほぼ不死身で殺し屋の少年。殺人の特訓から始まる孤独なふたりの友情は異常なはずなのに、どこまでも普通で不器用で切ない。
「キスも知らない17歳が銃の撃ち方は知っている」という、ある映画のキャッチコピーを思い出しました。

1話目から明言されているように、カイコとの無情な別れは決まっていいる。でも、哀しいだけでは終わらない。
どうかハッピーエンドがあってくれとどうしようもなく思わされてしまう願いに応えるように、最高の爽快感が待っています。

戻れない僅かな時間の懐古、使い果たされて死ぬだけの蚕、ただ思い返すしかない無力な回顧をかなぐり捨てて、どこにでも舵を取れるふたりに生まれ変わる。

切ないボーイミーツボーイでもあり、そういえば致死率十割神社の作者さんだったな!とわかるガンギマった台詞回しもあり、疾走感あふれる青春ブロマンス。
言葉で説明すればするほど陳腐になるので最後には読んでくださいとしか言えません。最高でした。
文庫化と漫画化とコンシューマーゲーム化を希望します。