甘くて苦い、ビターチョコレートのようなラブにはご注意を。

ビターチョコレートなのではないか、と錯覚してしまうほどに、むずがゆくて苦しくて、でも大好きで……なんていう、甘くて苦い恋愛をしたことはあるでしょうか。

初恋がいつであれど、初々しい青春の延長戦上にある甘酸っぱい恋愛とは、大人になれば、おさらばすることが多々あります。

小説ではやはり「甘酸っぱい」恋愛ばかりが描かれる傾向にあります。

でも、そんな「ありきたりな」恋愛から一皮むけ、少しだけ成熟した恋愛を魅せてくれる本作。

大人でありたい、でもあのころのような輝きがほしい。
愛したい、愛されたい。尽くしたい、尽くされたい。本気であるからこそ、胸に燃え滾る熱情のひとつを、手渡してみればいいのでは……。

——と、大人でさえも悩み、苦い味を舌に味わいながら甘汁の愛を求めているのです。

そんな、大人のための「ビターラブ」な一作です。

心の駆け引きと、感情の揺れ動きにゆさぶられる良作。

ぜひ、ご一読を。

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