緊張感孕んだ恋の駆け引き

その恋はきっと、幸せにはなれない。主人公の初恋は、そう言われる類のものである。それでも手を伸ばそうとして、その手を掴んだ人は。
どこか綱渡りをしているような、そんな緊張感も孕みながら、物語は進んでいく。これぞまさに大人の駆け引き、子供には出来ぬものだろう。
反して彼らの青春時代はどこかコミカルでもあり。過去と今と、感情は揺れ動く。
代わり、であった。代わりにして、代わりになった。そんなふたりの行く末は一体どうなるのだろう。
素直なような、素直でないような。我慢強いような、そうでないような。けれど恋をした人間というのは、そういうものなのかもしれない。
ぜひご一読ください。

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