それは藤の花のごとく

「──軍に入隊をしろ。これは勅命だ」
帝の命により、士官候補生として軍に入隊した親王頼仁。
ある夜、頼仁は同じ候補生の藤子と共に、訓練中に謎の男に襲われる。
絶体絶命の二人を助けたのは、藤子の兄、朔弥であった。

朔弥と藤子との仲の良さに、頼仁は言い知れぬ感情を抱く。
しかし朔弥には軍の機密に関わるとある目的があった…

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元々は『それは後の皇の器』の続編として考えていた短編です。
長年お蔵入りになっていたのですが、小説教室の課題として『恋愛』をテーマにもう一度再構築しました。
この作品だけで読めるように仕上げたため、キャラや頼仁が軍に入った経緯は同じですが前作とは別物の作品です。
ずっと出したかった藤子のお兄さんを出せたこと、頼仁との三角関係を書き上げられたことに満足しています。