美しくも残酷な世界で生きる

「死天使」として戦争に君臨する少女・ナタリア。彼女に相対する「死神」の青年・ライ。二人は出会い、そして美しくも残酷な世界が紡がれてゆきます。
彼女はライに出会い、こころを知りたいと願います。それは時折、彼女自身にも理解できない思いとして、彼女の中に立ち現れます。しかし彼女は「死天使」、命令に従って人々を殺戮する存在。彼女が少しずつこころを知っていく過程と、容赦なきまでに展開される戦争の過程が織り交ぜられる物語に、心とは何か、生きるとは何かと読後考えずにはいられません。
また、ナタリアとライを取り巻くキャラクターたちが魅力的です。折々に彼らの心情を丁寧に描くシーンがあり、皆のことを好きにならずにはいられません。そんな彼らの関係性や、それゆえに時に救われ、時に苦しむ姿が印象的です。
現在、作品は最終章に入り、大きな佳境を迎えています。彼らはどんな選択をするのか、どうやって生き抜いてゆくのか、とても楽しみです。

その他のおすすめレビュー

市枝蒔次さんの他のおすすめレビュー10