物語の悪役に転生した。破滅する運命だったので、全力で否定してみた。

　運命にあらがったＣランク冒険者のイザークは死ぬべき未来を回避した。

　ここから先の世界は自分が知っている未来とは別物になる。その事実に気がついたとき、イザークはだれも知らない歴史へ、その一歩を踏み出した。

　自分が生き残ることができたということは、他の滅びる定めにあった者たちを救うことができるのではないだろうか？

　隠れ里と共に滅んだとされるエルフ族。古代遺跡の発掘と共に消えたドワーフ族。枯れ果てた精霊の森。歴史の争乱の中で消えて行くあまたの種族。
　イザークの救済の旅は多くの種族を巻き込んでゆき、やがて歴史にその名前を残すことになる。