概要
異世界に迷い込んだ男が出会ったのは、妻の過去を知る訳あり魔女だった――
“何故君は命を絶ったのか”――愛する妻・紗良《さら》が自殺してから半年。曽根崎佑《そねざき・たすく》は、未だ妻の死を受け入れられずにいた。
息子の竜樹《りゅうき》とはギスギスした関係が続いている。
「言いたいことがあるなら、言ってくれれば良かったのに」
何気ない佑の言葉に激高した竜樹は、猛吹雪の中、家出してしまう。
必死に竜樹を追いかける佑が辿り着いたのは、ルミールと呼ばれる異世界だった。
そこで出会った魔女リディアに、佑は妻と息子の話をした。
「昔……、身分の高い娘を一人、かの地に逃したことがある。王位継承を巡って内紛が起きたことが原因でな」
リディアは、かつて別の世界に逃したという王女と妻を重ねていた。
思いも寄らぬ話に困惑する佑に、リディアは一緒に旅をすると言い出
息子の竜樹《りゅうき》とはギスギスした関係が続いている。
「言いたいことがあるなら、言ってくれれば良かったのに」
何気ない佑の言葉に激高した竜樹は、猛吹雪の中、家出してしまう。
必死に竜樹を追いかける佑が辿り着いたのは、ルミールと呼ばれる異世界だった。
そこで出会った魔女リディアに、佑は妻と息子の話をした。
「昔……、身分の高い娘を一人、かの地に逃したことがある。王位継承を巡って内紛が起きたことが原因でな」
リディアは、かつて別の世界に逃したという王女と妻を重ねていた。
思いも寄らぬ話に困惑する佑に、リディアは一緒に旅をすると言い出
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読者も一緒に世界をめぐり、”彼女”を知って行く旅になる
主人公の佑は、妻を失い傷心でいるところ、そりが合わなくなっていた息子まで飛び出してしまい……。追いかけたその先は、異世界だったという導入からスタート。
そこで助けてくれた魔女リディアと共に、旅の準備を整えながら妻の事を話し、息子の事を話し。そしてこの世界にいた頃の彼女を知って行く、という内容です。
主人公自体が、妻となった彼女の事をよくわかっておらず、知らなくても愛せていた状態だったからというのもあって、彼女が何者だったのか、この世界がどういうものなのか、佑と一緒に読者も知りながら旅をする形に。息子を探しながら、道中で語られるそれぞれの情報を編み上げていくと、彼女の真実が見えて来る…続きを読む - ★★★ Excellent!!!失って君を知る、失って君を探す
家族愛。
あまりにも身近な存在である家族。
いて当たり前と感じてしまう肉親。
ある日突然、それを失った主人公。
自殺によって妻を。
仲違いによって息子を。
異世界へと降り立ってしまった主人公が、
喪った妻を知り、失った息子を探す物語。
等身大な現代の家族の姿が見える、そんな作品であると感じました。
異世界へ行くと若返ったり現実世界の事をすっぱりと忘れる作品もありますが、
この作品の主人公は何の変哲もない一人の夫であり、一人の父親です。
まだ2章3話(で数え方良いのかな?)の時点でのレビューですが、主人公が優しい人物であるのがよく分かり、それ故に家族がバラバラになってしまった物語の状…続きを読む