読者も一緒に世界をめぐり、”彼女”を知って行く旅になる
- ★★★ Excellent!!!
主人公の佑は、妻を失い傷心でいるところ、そりが合わなくなっていた息子まで飛び出してしまい……。追いかけたその先は、異世界だったという導入からスタート。
そこで助けてくれた魔女リディアと共に、旅の準備を整えながら妻の事を話し、息子の事を話し。そしてこの世界にいた頃の彼女を知って行く、という内容です。
主人公自体が、妻となった彼女の事をよくわかっておらず、知らなくても愛せていた状態だったからというのもあって、彼女が何者だったのか、この世界がどういうものなのか、佑と一緒に読者も知りながら旅をする形に。息子を探しながら、道中で語られるそれぞれの情報を編み上げていくと、彼女の真実が見えて来るという。
少しキナ臭い世界情勢に、彼らはどうするのか。彼女が亡くなった本当の理由など、色々と気になる要素も。
読者も佑と共に、世界を巡る。派手なアクションがあるような大冒険ではありませんが、優しい人たちの優しさゆえの行動の結果を見守りたくなる、そんなお話です。