千人の同心なる者たち ー日光東照宮の守り人ー

武蔵の国 多摩郡。
武田の遺臣は徳川家康の招きに応じて、この地を賜る。甲州口の守りを担う事を期待されて。

ここ八王子は、江戸城陥落の際に使用する隠し通路の出口があるともいわれる重要な拠点。
有事の際は将軍はここから甲州へと逃れるのだ。

その信頼は後に神として祀られた神君家康公の墓所 日光東照宮の火の番を任される事になる。
八王子から日光まで160㎞。彼らは四日で踏破する。そして50日だけ火の番をすると、また四日で八王子へと帰る。
これは、彼らの日常の一部を切り取ったお話である。


本作では、所謂、多摩弁や八王子弁と言われる方言言葉を多用しています。
小さいころ、よく会いに行っていた祖父母の八王子弁を思い出しながら書きました。
そのため、記憶違いや覚え違いなどあるかもしれませんがご容赦頂ければ幸いです。