江戸の武蔵野には――八王寺千人同心という「集団」がありました。
旧武田家遺臣団で構成されたというその「集団」は、ある時は武士として働いて、ある時は農民として耕して――そういう生活を送ってきました。
その千人同心の一人が奇禍に遭い、刀を抜かざるを得なくなり――
その時、胸中に去来する想いは、どうだったでしょうか。
武士として、戦う。
負けることは、武士されない。
いやそもそも――己は、武士であるか、否か。
……悩ましいその問いに答えを与える者がいて――まさかこの人を持って来たかと膝を打ちました。
面白かったです。
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