のんびり、まったり、転生建築士の旅

転生もののなかでも、これは異端なのではないでしょうか? 主人公は建築士です。物語の「異世界」においてもレアジョブだそうです。同じくレアジョブの破戒僧グレゴリー、風水師のコウとパーティを組み、クエストをしながら旅してまわっています。

彼らの旅は実にまったりしており、それ、危機じゃない?という出来事もそれなりに経験しますが、誰も動じません。クエストに使命感を燃やすこともなく、何か好奇心を満たしてくれるものはないか、それを求めて旅を続けているというのが正しそうです。

途中から、子供にしか見えないけれど実はすごい存在の幼体であるコルビーくんも仲間に加わり、旅はさらにマニアック街道を突き進みます。何が嬉しいかって、この小説は無駄に読み手の精神をかき乱しません。登場人物(人じゃないけれど)はみなひょうひょうとしています。いつ、どんな気分で読みはじめても、さらりとその世界に迎え入れてくれます。

ところどころに建築関係の知識や小ネタが仕込まれています。これを探しながら読むのも、また面白いですよ。小ネタについては「あとがき」でまとめてネタばらししてもらえますので、どうぞお楽しみに!

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