時を越え、次元を超え、想い結びつける光の糸

名古屋駅から名鉄あるいはJRで二駅。もしくは――

から始まる前口上が、たまらなく好きです。毎朝口にする温かいコーヒーを飲む時のような、ほっとする感じ。

物や歴史に関する造詣の深さや、超常的な能力も作品の魅力だけれど、何よりキャラクターたちとその関係性が好き。とくに喋る時のなまりが良い。この作品の大きな特徴の一つだと思います。なまりがあるとキャラクターに命が吹き込まれている感じがして、温かさを感じます。

物に宿る魂を調べ、超常的な力を用い良い形で解決していく探偵とその助手たち。
ストーリーは徐々に自分たちと近しい者と関わる段階へ。

人にも物にもそれぞれ物語があり、ドラマがある。
そんなことを教えてくれる、温かな、そして時々美味しい、美術品のように美しい作品。

名古屋駅から名鉄あるいはJRで二駅。もしくは――

読めばあなたきっともこの前口上が忘れられなくなります。

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