青色レイヤード

　だだっ広い体育館の演台に顔も知らない後輩が立つ。
　彼はマイクを通して、俺たちに言葉を贈った。

『三年生の皆様、本日はご卒業おめでとうございます』

　声は聞こえた。ただ頭には入ってこない。
　正直、何を祝われているのかわからなかった。
　なぜなら俺はこの三年間、何も成し遂げてこなかったからだ。
　それなのにどうして俺はこの高校を卒業できてしまうのだろう。