少女と地球外生命体。もどかしさや機微を丹念に描いた作者の力量に脱帽!

 頼られたい女の子と引っ張ってもらいたい女の子。
 魔法少女に地球外生命体。
 ふとしたきっかけと非日常が絡み合い、二人の世界が変わっていく。

 上記の文章は小説の概要からの抜粋です。

 中学生の紬希と優芽。引っ張ってもらいたいほうが紬希で、頼られたいほうが優芽。そして、地球外生命体のモルモル。

 抜粋した小説の概要に「魔法少女と地球外生命体」とあるので、これから本作を読む方のなかには有名なアニメ作品『魔法少女まどか☆マギカ』を連想する人も少なからずいることでしょう。実を言うと、ぼくがそうでした。この作品を読みはじめる前、および読みはじめた直後の、ぼくが。

 しかし実際にある程度のところまで読み進めていくと、『まどか☆マギカ』とはまったく異なる作品なのだということがわかってきます。『まどか☆マギカ』だけでなく、魔法少女の言葉から連想するであろう物語とはずいぶんと異なることに。
 読了後のぼくの感想は「いい意味で予想を裏切られた、たいへん魅力的な小説」でした。

 少女たちの悩みや作中で描かれる社会問題。それらを通じて、われわれが心に抱かされるような機微であったり、もどかしさなどが作者のたしかな筆力によって表現されています。個人的には、ここが本作の大きな魅力のひとつ! 登場人物たちの悩みに共感したり、共感するまでには至らなくても、うなずけるような描写が多々ありました。

 本当に素敵な作品だと思います。読んだ人たちの心にしっかりと残るような! 
『永劫輪転ドリームランド』、おすすめです!!

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