過去に意識を転移させた主人公が奮闘!

 本作の主人公は陽日(はるひ)という名前の男性です。

 彼の母親は研究者、父親は科学者。陽日は両親の研究を手伝いながら、システムの開発――世界に先駆けた医療技術や人工知能の導入に没頭していたようです。

 しかしそんなある日、陽日の母が未知の病原体によって亡くなってしまう。妻を喪い、悲嘆に暮れていた父は、友人に裏切られて会社を乗っ取られてしまう……。

 冒頭の1話で、こういったことが明かされるのですが、なかなか衝撃的な物語のはじまりで、陽日には同情を禁じえません。しかも、不幸はこれで終わりません。

 やがて精神の安定しない父親が自殺未遂。実は主人公の陽日も末期がんで、余命いくばくもない。

 そこで陽日は、ある決断を下します。最後にもう一度、幸せな両親の顔が見たい。そのために意識を過去に転移することを決断するのでした。

 陽日が意識を転移する先に選んだのは、なんと彼の父親! ……のはずが、実際に転移してみると、意識は父親ではなく、別のものに転移していました。なにに転移していたのかは、実際に読んでみてください。かなり意外です。

 こんなふうに本作はSFからはじまります。ぼくは現在、第二章の途中まで読んでいますが、ラブコメ要素もありで、今後、どんなふうに物語が展開されていくのか、本当に楽しみです。

『わたしが導く幸せな結婚~生と死の境界の中で……』、おすすめです!

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