恋と夢と未来のために。誰もが前を向いていく

蒸気機関が発達した世界。
石炭まみれになって働きながら、夢のために特待生として学校に通う、瑠奈。
経済界の覇者「鴻家」の長男で、なのに、どこか孤独な御曹司、朔夜。
まったく立場の違うふたりは、学年首席を争うライバル。
そして、両片思いの間柄でした。

あるとき、暴漢に襲われそうになった瑠奈を朔夜が助けます。
――狼の姿となって。
彼は「人狼族」だったのでした。

その事件をきっかけに、急速に距離を縮めるふたり。
けれども、ふたりとも、互いに自分に自信がありません。
そのため、なかなか、その先の一歩を踏み出せずにいます。
読者としては、もどかしい、ふたりです。

恋だけではありません。
瑠奈は、夢を叶えるために。
朔夜は、人狼族であること、そして「鴻家」と向き合うために。

未来を切り拓く一歩のために。

ふたりは、変わっていかなければならないのです。

――だから、これは。
恋と夢と未来のために、自分を変えていく物語。

ふと、気づくと。
瑠奈と朔夜だけではなくて、彼らの周りの人々も皆、自分を見つめているのです。
ふたりに影響を与えながら、ふたりから影響を受けながら。

そんな、誰もが前を向いていく物語――だと思います。

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