うっとりとするバトル、引き継がれる伝承、コミカルさ可憐さ、技名たまらん、キメ台詞にもゾクゾクする、疾走感! カッコいい。
たくさんの人に響く無数のツボに突きささる、現代に生まれたおとぎばなし。
うっとり要素がさまざまに計算された伏線を目眩しながら繰り出され
推しキャラクターはつぎつぎに魅力的に登場しほのぼのパートにも癒されます。
国の成り立ちと歴史、世界規模で実際に行われた戦争や政治に渦巻いた人の感情。
すべてを取り込んで掌握しているからこそ作者さまの筆に流れ疾り
うみだされる世界。
まずはプロローグの壮大をあじわってみるのはいかがでしょう
大スクリーンの迫力で読む快感をゆさぶられ、世界につれ込まれていく感覚を。
いや、これですよ、これ!もう昔ながらの少年漫画のテイスト、最高です。ギリギリの戦闘で勝つ!知恵を使って勝つ!!。もう、これ!これなんですよ!!こういういう物語を私は読みたいのです。
人生においてもそうですよね?生まれた時から頭がいい人が成功する物語を現実で見たいとは思いませんよね?自己投影できないですもの。そうじゃないはずです。工夫を凝らし、活路を見出して勝利する。それこそが「王道」じゃないですか。
この小説は、そんな「当たり前」のことを思い出させてくれる「大切」な一冊です。皆さんも是非、読んでみてください!!
某北の大国により開いてしまった地獄の蓋こと、異界迷宮カクリヨ。黒い雪と赤い霧を伴うソレは、人々の心に侵入する。
しかし地獄の先には資源が眠る。ならば活用すべしと異界との共存を試みる人類、そうして徐々に浸透して行く異界の力、鬼の力。
そんな世界の片隅で異界探索に心を燃やすの純真な少年、桃太。
鬼の力に馴染めない彼は、それでも冒険に憧れ、今日も今日とて報われぬ鍛錬を重ねる。
そんな彼が研修として潜る異界の底で遭遇する異常事態。
逃げて、しかし追い縋られ、そして闇の底に落ちて行く。
そこで知る、この世界の未知の領域。不思議な友人。そして――鬼への対抗手段。
鬼が人に憑くのか、人が鬼に成るのか?
本作は、鬼に堕した世界の中で、人であり続けたいと願う少年が世界を啓いていく物語。
神話と鬼と歴史を絡めながら編んで行くストーリー、一話一話が読みやすく、独特の情景を想わせる描写、特徴的な名乗りと場の盛り上げ方、様々な工夫が読者を楽しませてくれます、。
ちょうど第一部が終わった今、雪が白くて良かったなどと想いを馳せながら読んでみてはいかがでしょうか。
※25話現在のレビューとなります※
趣味・嗜好・好き嫌い。
それら、人それぞれおありのことと思いますが、もし「かっこいい」主人公がお好きなら、どうか少しだけ貴重なお時間を割いて、本作に触れてみていただけたら、と思います。何卒。
なにせ、レビュー本文として推奨される「良かった点」――本作においては、まさしくそこに尽きるのです。いや、かっこいいんですよ主人公。
主人公・出雲桃太は未だ「最強」ではありません。タグにそうついてるんだからいずれ最強になるんだと思いますが、今のところはまばゆい才能の萌芽こそあれ、強大な異能たるの"鬼の力”を持てなかった外れ者、強大な敵の前には力弱い劣等生でしかありません。
それでも。異能に選ばれずとも積み重ねてきた鍛錬と、恐らくは天性の勘の良さ、思い切りの良さで、強大な"鬼の力”を振るう敵の猛威を搔い潜り渡り合う彼の姿を、私は心から「かっこいい」と思ったのです。
そのシーンをまざまざと鮮やかに脳裏へ想い描き、その鮮やかさに痺れてしまったのです。
彼は未だ最強ならずとも、強大な敵を前にしてなお輝きつづける主人公でした。
なら、いずれ彼が最強となったなら?
そんなもん、かっこよくない訳がないよなぁ!!!??
そのかっこよさを成さしめる確かな筆致で、この物語は紡がれています。
描写が厚いとか巧みというのとは少し矛先が異なり、読みやすさを損なわないところまで描写を「削り出して」いる巧さではないか、などと感じていますが、どうでしょうか。
そして、文字通りの『鬼』と化した悪鬼どもを、時には鮮やかなまでの一瞬で、また時には苛烈な凌ぎ合いの末に下してゆくであろういつかの未来を、この「おとぎばなし」が見せてくれるのを期待しつつ――この先の展開を待っている次第の私です。
ある日突然一変した世界。その世界に順応し日々の暮らしを構築した人類。
そんな世界で平凡な少年桃太は少年らしい憧れを胸に冒険者となるべく養成学校に入ります。そこで彼は劣等生の烙印を押されてしまうのですが……。
異世界、冒険者、異能。ファンタジー系の物語では定番の言葉なのですが、序盤から繰り広げられる人間模様と迫力ある戦闘シーンに圧倒されます。
私は異世界ファンタジーは余り得意ではないのですが、ぐいぐいその世界に入り込んでしまいました。緻密に作り上げられた世界がリアルに感じられ、登場人物達の個性や心情が緻密に書き出されているからなのでしょう。
物語はまだ序盤です。これから繰り広げられる物語から目が離せなくなりそうです。