道のり

 ずいぶん長い旅路であった。主人公の生涯があたかも大河ドラマの回想場面さながらに流れては消え、一つ一つの節目を記憶と印象に残す。

 誰にでも、本人にしかわからない気持ちがある。しかし、本人以外はわかろうとさえしない環境というものもある。戦時をくぐったともなればより強く圧迫してくることだろう。

 お疲れ様でした、と主人公をねぎらいたくなる秀作である。

 必読本作。

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