追憶の彼方の光

中澤京華

第1話 プロローグ

やっとあなたに逢えるのですね


今までずっとあなたを探し続けて生きてきました


あなたの死の知らせを聞いたのはもうはるか昔のことなのに


遠い異国の地に消えたあなたの身柄を目にするまでは


どこかにあなたが生きていて


いつか私の元へと戻ってくる日が来るのではないかと


ずっと待ち続けてきたんです


あのさよならの日から何年経ったのでしょうか


私はもう歩くこともできず、年老いた身体も皺だらけの顔も


長い長い年月が過ぎていったことを物語っています


それでも心はあのときのまま


少女のようなあなたへの思いをずっとずっと宿したまま


いつでもあの瞬間へと時を遡っていくのです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る