裏図書館にある本を借りてみたくなる

 図書館が出てくる物語が好きです。それも、ここに登場するのは裏図書館。「裏庭」のような、「秘密の花園」のような、若かりし頃親しんだ世界を連想させます。 

 雪菜のキャラクターも大好きです。 
 真面目で面白みがない、取り柄がないと思い込んでいる人にかぎって、味があるんです。

 雪菜の語り口に安心感がありつつ
 女の子同士のつながりの、一晩でガラリと崩れるような危うい雰囲気がよく表現されている文章もあって、そこには不安感があるんです。
 安心したり不安になったり、そのドキドキ感から、先へ先へと読み進めてしまいます。
 最後、あー、みんな主人公なんだよな、本当は。
 と、思いました。
 

その他のおすすめレビュー

机田 未織さんの他のおすすめレビュー9