最初、ほのぼのしたラジオ好きの人の話かと思いました。
でも、あれ?なんだか違う??
と、展開が怪しくなって。
「わたし」がただ、「好き」なものを気軽に追い求めて熱中していく‥‥はずなのに、最初の「わたし」とラストに在る「わたし」はすっかり別物に成り変わっていました。
その変化は、少し、理解でき、理解できるということは自分も、この「わたし」に成りえるということを意味しているのかもしれない。
小説のなかに、「わたし」以外の目線がないことが逆に、最後まで、壊れ行く姿を「壊れている」として表現されず、それがさらに怖かったです。
最後、「わたし」には何が聴こえていたんだろう。
畳みかけるような文章が怖さに拍車をかけました。