葉山マリーナ～夕暮れマーメイド～

　海面が焼け付いている。しかし、葉山マリーナの夕陽は神々しいとの言葉も、感動との言葉も、何一つしっくりと来ない。
　海の入り日は美しいが、揺れる水面の色は濃く、掬えば手から輝きが零れ落ちる。水飛沫さえもオレンジの飛沫に変えた夕暮れの風景。
　たくさんのヨットやクルーザーをも染め変えて、明日へ還る葉山マリーナの夕陽。それだけを観るために、訪れる人は多い――。

これは葉山を舞台にした妹萌えの兄のお話。海に広がる真夏のマリンファンタジー・ロマンス