概要
「世界ならば家族と代えられる」
今から四〇〇〇年と少し前。
世界を照らしているのは造物主ではない事を人々が知り、信じて、〝主なりし光〟と呼び慣らわしてから、七〇〇年の時が流れた。
その当時、世界を二分した戦争は、主なりし光を血の色に染め上げる程だったと云う。
敗者である人族は殯塔のある迷宮に落ち延びるも、音でなく響いた誄歌(るいか)に絶望と怨讐の陰火で己の魂を焼き締めた。
鏖魔(おうま)の業を魂に宿す為。
迷宮の恩寵を血肉とする為。
迷宮に匿われて生きる人族は、代価に半身を差し出した。種族の別を取り払い、人と怪物の境界を侵した。
迷宮は応(いら)え、永き時を経て欠失は埋まり、血と力は融け合った。
三千と三〇〇年の後、生まれた怪人(ひと)は陰火をその身に宿し、母なる迷宮を生きている。
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世界を照らしているのは造物主ではない事を人々が知り、信じて、〝主なりし光〟と呼び慣らわしてから、七〇〇年の時が流れた。
その当時、世界を二分した戦争は、主なりし光を血の色に染め上げる程だったと云う。
敗者である人族は殯塔のある迷宮に落ち延びるも、音でなく響いた誄歌(るいか)に絶望と怨讐の陰火で己の魂を焼き締めた。
鏖魔(おうま)の業を魂に宿す為。
迷宮の恩寵を血肉とする為。
迷宮に匿われて生きる人族は、代価に半身を差し出した。種族の別を取り払い、人と怪物の境界を侵した。
迷宮は応(いら)え、永き時を経て欠失は埋まり、血と力は融け合った。
三千と三〇〇年の後、生まれた怪人(ひと)は陰火をその身に宿し、母なる迷宮を生きている。
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