第1話 加盟店契約の実情は当事者に聞け


 さて、フランチャイズ加盟店を始めるにあたって、なにを置いても必要なことが、加盟店契約書の取り交わしですね。


 ここで一番大切なことは、「誰に決定権があるのか明確であるかどうか」という事です。

 いきなり、核心をつく問題となります。


 これから始めようと思っている方は、そんなもの当然、経営者になるのだから、経営者にあるのは当然のことだろう、と思われるかもしれません。


 ですが、実際のところ、加盟店オーナーの裁量はいろいろなところで制限を受けています。

 

 たとえば、営業時間。

  

 契約的には休業日や営業時間の決定については、加盟店オーナーが決定することになっていますし、もちろん、これは経営権の根幹にあたる部分ですので、おそらくのところ、これを明確に制限する契約書の内容にはなっていないものと思われます。

 ところが現実的には、自由裁量が認められていないことがありますので気を付けてください。

 これを知るためには、加盟しようと思っているチェーンの現役オーナー様に尋ねるのが一番確実です。

 決して本部担当の方の話のみで判断しないようにした方がよいです。


 加盟店にはたしかにある程度の守秘義務的な条項があるとは思いますが、これについて明確に、「○〇店の××オーナーから聞いたのですが……」などと言わない限り、答えてくれるかどうかは別として、聞くのは勝手です。

 

 おそらくのところ、大抵はそのぐらいのことなら答えてくれるものと思われます。

 ただし、聞く相手は自身が出店しようと思っているのとは離れた地域で聞かれる方がよいと思います。出来れば、しっかりとアポを取って、お出会いされることをお勧めいたします。

 出会って顔を合わせてお話しすることで、信頼関係ができますし、お話してくれる情報の信憑性も格段に上がるものと思われます。


 これで、そのフランチャイズ契約の現実の大半が解ると言っても過言ではありません。


 営業時間の決定に関しては、事実としてこれを「発端」として本部と加盟店オーナーとの間で信頼関係問題が発生し、「結果的に」契約解除となったケースが事実としてあります。


 これについてはここでは深く取り上げません。

 なぜなら、裁判によって最終判断が出ていないからです。


 ただ、「結果的に」契約解除となったケースがあることは周知の事実です。



 教訓その1――加盟店契約を考えているなら、生の声を聞いてから考えても遅くはない。

 

 

 

 

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