銀世界の姫

アデルローゼン王国は、かつて二人の王を戴く国だった。
武を以て治める〈真金の帝王〉と、智を以て支える〈白銀の女王〉の下、王国は大陸の覇者として君臨していた。

しかし、時を下ること二千年。
偉大な二王の血は途絶え、圧倒的な王の力を欠いた王国にはひずみが生じつつあった。

そんなある日、銀色の瞳を持つ街娘のユベルフィーネは、銀の女王と間違われて王宮に連れて行かれる。何も知らなかった少女の肩に託されたのは、王国の命運と、秘された世界の歴史だった____________。