電話

110

 ——プルルルル。


 ガチャ。


 ——はい、こちら110番。事件ですか?


 ——え、自首ですか? ちなみに何を……。


 ——は? 殺し!? それも4人も、ですか!? しょ、少々お待ちください!


 ——とにかく、詳しくは署で。遺体はご自宅の地下、冷凍庫にある……と。わかりました。


 ——すぐに向かいますから! 下手な真似はしないように、いいですね!


 ——何笑ってるんですか? 自分がしたこと、本当にわかってますか!?


 ——え、笑ってない……泣いてる? 


 ——は? 私が妹に似てる? 戯言ざれごとは程々に……あ、どうやら現場に到着したみたいです。それじゃあまた後ほど、署でゆっくり聞かせてください。


 ——ほら、しっかりして! お兄さんなんでしょ! 何があったか知りませんがしっかり反省して、きちんと罪を償ってください。


 ——それが、お兄さんに、あなたに出来る唯一の弔いですから。……では、また。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕の妹コレクション 御角 @3kad0

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説