みごとに騙される。

 ある学術機関の調査報告書から始まる本文。
 目的は過去に大惨事の起こった中心、大地に穿たれた”大穴”を調べることにあったが、そこで美貌の旅人は現地の青年と出会い、運命が回りだす。謎めいた問いかけ、青年の秘密。ついに行き着いた深淵の縁から、二人が闇底に臨んだものとは。
 理解してからまた楽しめる、ギミックの効いた物語です。後半のカタストロフィ、相反するイメージが美しい。
 大きな物語の序章のようであり、実際、世界観を同じくする作品があるようなので、ぜひ読ませて頂こうと思います。

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