仕事をしている私も、大事な私の一部だった。

 題名通り、主人公は乳酸菌飲料を売る仕事をしている。しかし、義父の猛烈な反対によって、仕事を辞めざるを得なくなってしまった。まだ幼い我が子もいるし、夫は理解がある人だ。だから妻としての自分も、母としての自分も、ちゃんと社会の中にいるし、私の価値が消えてしまうわけではない。それなのに、主人公は仕事に対して今まで真摯に向き合ってきただけに、寂しさを感じていた。
 いつものコースで、いつものお客様に乳酸菌飲料を買って貰う日々。しかしある場所で不協和音が聞こえて来た。果たしていつもお客様に、主人公が出来ることとは?
 ただのお仕事小説と侮らない方がいいです。
 人間関係や立場の違いからくる軋轢、その中で頑張る主人公。
 仕事に矜持を持って、いつも明るく笑顔で接してきた。
 まさに働く人の鑑だ。

 とても、面白く、感服しました。
 この短い作品の中に、ここまで詰め込まれている、と感動ました。
 そして主人公を応援したくなること間違いなしです。

 是非、御一読下さい。

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