どんな過去を持っていようとも、たとえ生きた世界が違っても、うまいものはうまい。カレーという「うまいもの」を通して行われる交流を描いたSF小説です。
様々な世界線からカレーを食べにやって来る客との関わりから、個人の問題、そして世界へ……一万文字少々の文字数の中に、広い余白が見て取れます。綴られている物語だけではない世界に思いを馳せられる、そんな印象を受けました。「多次元的ご近所SF」……と呼べるでしょうか。しかしながらそれに留まらない展開が、終盤を更なる広々とした場所へと連れて行ってくれます。 なんでもあるような世界の旅路を終え、本作を読み終わった後、こう思っていることでしょう。 カレーが、食べたい!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(198文字)
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